【2026年】労働基準法が約40年ぶりに大改正へ
8つの改正ポイントと企業の対応策
2026年、労働基準法が1987年以来、約40年ぶりの大規模改正を迎える見通しです。本記事では、改正の背景から具体的な8つのポイント、そして企業が今から取るべき対応策まで、わかりやすく解説します。
なぜ今、40年ぶりの大改正なのか?
労働基準法が前回大きく改正されたのは1987年。それから約40年が経過し、私たちの働き方は大きく変化しました。
- テレワーク・リモートワークの普及
- 副業・兼業の解禁と拡大
- フリーランス人口の増加
- デジタルツールによる「いつでも・どこでも」仕事ができる環境
こうした現実と、昭和時代に設計された法律との間に大きな乖離が生じています。厚生労働省は2024年1月に「労働基準関係法制研究会」を設置し、2025年1月に報告書を公表。「働き方改革第2章」とも呼べる包括的な改正案が示されました。
⚠ 最新動向(2025年12月23日)
当初は2026年の通常国会で法案提出、2027年前後の施行が見込まれていましたが、2025年12月23日に改正法案の提出見送りが報じられました。
これは、高市早苗首相が「労働時間規制の緩和検討」を指示したことが影響しているとみられています。ただし、白紙撤回ではなく方向性の再検討段階であり、改正の大枠は維持される見通しです。
💡 企業として押さえるべきポイント
改正の方向性自体は変わっておらず、施行時期が多少後ろ倒しになる可能性があるのみです。今のうちから準備を進めておくことが、リスク回避と競争優位につながります。
押さえるべき8つの改正ポイント
1連続勤務の上限規制(14連勤禁止)
現行法では「4週4休」の特例により、理論上は24日間の連続勤務が可能です。改正後は最大13日間に制限され、14日以上の連続勤務が禁止となります。
2法定休日の特定義務化
これまで曖昧だった「どの日が法定休日か」を、就業規則で明確に特定することが義務化されます。
3勤務間インターバル制度の義務化(原則11時間)
終業から翌日の始業まで、原則11時間以上の休息時間確保が義務化される見込みです。
現在の導入率はわずか約6%。努力義務から義務への格上げにより、「昨夜23時まで残業→翌朝8時出勤」といった働き方はできなくなります。
4有給休暇の賃金算定方式の統一
現在は「平均賃金」「通常賃金」「標準報酬日額」の3方式から選択可能ですが、原則として通常賃金方式に統一される方向です。
5「つながらない権利」のガイドライン策定
勤務時間外の業務連絡(メール・LINE・チャット等)に応答しない権利について、ガイドラインが策定される見込みです。
ある調査では72.6%の労働者が「拒否できるならしたい」と回答。企業文化の変革が求められます。
6副業・兼業の労働時間通算ルール見直し
複数の会社で働く副業・兼業者の労働時間について、割増賃金算定の通算ルールが簡素化されます。企業側の管理負担軽減が期待される一方、従業員からの正確な申告の仕組み構築が必要です。
7週44時間特例の廃止
10人未満の商業・サービス業などに認められていた「週44時間」の特例が廃止され、すべての事業場で週40時間が原則となります。
8管理監督者の労働時間把握義務の強化注目
「名ばかり管理職」の長時間労働を防ぐため、管理監督者を含むすべての労働者の労働時間を、客観的な方法(タイムカード・PCログ等)で記録・把握することが義務化される見込みです。
⚠ 注意すべき行為(すでに問題視の対象)
- 管理職の深夜0時のメール
- 休日のLINE・チャットでの業務指示
- 在宅勤務での早朝・深夜作業
- 「役職手当1万円」で管理職扱い
「管理職だからタイムカード不要」という運用は、今後ますますリスクが高まります。
企業への影響は?
| 影響項目 | 内容 |
|---|---|
| 人件費 | 週44時間特例廃止等により、年間人件費5〜15%増加の可能性 |
| 勤怠管理 | インターバル自動チェック等の機能が必須に。Excel管理では対応困難 |
| 就業規則 | 複数条項の改定が必要 |
| シフト管理 | 繁忙期でも14日以上の連続勤務不可に |
| 管理職対応 | 管理監督者の労働時間も客観的記録が必須。名ばかり管理職リスクの点検が必要 |
今から始めるべき3つのアクション
✅ Step 1:現状分析と影響度の把握
- 自社の労働時間・休日の実態調査
- 改正による人件費増加の概算
- 必要な投資額の試算
✅ Step 2:就業規則・契約書の見直し
- 法定休日の特定
- 勤務間インターバル規定の追加
- 副業規定の整備
- 「つながらない権利」に関する服務規律
- 管理監督者の定義・基準の明確化(名ばかり管理職リスクの点検)
✅ Step 3:勤怠管理システムの導入・更新
- インターバル時間の自動計算・警告機能
- 連続勤務日数のチェック機能
- 法定休日設定との連携
- 管理監督者を含む全従業員の労働時間の客観的記録
📌 まとめ
今回の労基法改正は、単なるルール変更ではなく、「働き方の質をどう高めるか」が問われる大きな転換点です。
法案提出は見送りとなりましたが、改正の方向性は維持される見込みです。早期に準備を始めた企業こそが、法令遵守と人材確保の両面で優位に立てます。
ご不明点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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※本記事の内容は2025年12月時点の情報に基づいています。
※今後の審議により、内容や施行時期が変更される可能性があります。
※参考:厚生労働省「労働基準関係法制研究会報告書」
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
今後も随時、情報提供をさせていただきたいと思います。
ご要望などございましたら、
Webフォーム、またはお電話からお気軽にご相談ください。
今後ともよろしくお願いいたします。



